どうやら男同士じゃ楽しめないことがあるようだ
この間、友人と僕を含め男三人で旅行に行く計画をしていた。
「どこ行く?あっ、ここも行きたい」なんて和気あいあいと話すのはとても楽しい。
旅行はプランしている時が一番楽しいとはこのことである。
旅程に少し余裕があったのでこの時間何をしようかという話になった。
とりわけ行きたいところもなかったので、少し有名だったから水族館はどう?というと「男同士で行くの(笑)」と言われてしまった。
あ、まただ。
今まで他の人にも何度か言われたことがあったが、私はこの類のことを言われるのはあまり好きではない。なんだか悲しい気分になる。
別に水族館にどうしても行きたいのかといえばそんなことは全然ない。
他に行くところがあればそれでかまわないし、むしろそっちの方がいいかもしれない。
気になるのは「男同士」じゃダメなのかということだ。
私はただ気の知れた友達と楽しめる場所で時間を過ごしたいだけなのに…
少し前だがニュースで「男だけディズニーが急増!」という特集が組まれていた。
もちろん肯定的な意見も多くあったが、この特集を組まれていること自体「男だけでは行くのはおかしい」という考えがあってのことだと思う。まだまだ男同士で行くのはちょっと…と思う人がたくさんいるということである。
もしこれが女同士だったらどうだろう?
ディズニーなんて当たり前のように行くし、ショッピングも旅行もどこにでも行くしなんとも思われないのではないだろうか。
なんならニコイチなどと言ってそっくりコーディネートするのは私の周りではよく見かける光景である。これに関して言えば、男数人で同じようなコーディネートをしていたとすると、私もちょっとそれは…と思ってしまう。
なぜ女同士ではありでも男同士だと悪いのか、この違いはなんなのだろうか。
男同士(笑)と言われるところといえば
考えてみるとどこでも男同士で行くと(笑)とはならない。
よくおじさん同士でゴルフに行ったり、釣りや居酒屋に行ったりしている。
じゃあどこかというといわゆるデートスポットじゃないだろうか。
水族館に動物園、ディズニーランドにショッピングとなるとえっ、男同士で?と言われることが多いように思う。
実際、そういった場所で男同士来ている人たちをあまり見かけたことがない。
ただ中年と言われる人たちと20代の若い世代とでは違いがあると思う。
というのも、中年の世代は家庭を持つ人も若い世代と比べて多く、平日は仕事、休日は家で日ごろの疲れをいやすか家族サービスをすることもあり、そもそも友人と遊ぶ時間があまりとれないこともあるからだ。
独身の人も家族持ちの人とはなかなか遊びづらくなり、結果一緒に遊ぶ回数自体が減ってしますことも考えられる。
一方で、若い世代の人たちは男同士でショッピングもディズニーランドも行く印象があり、少なくとも私の周りには一定数いる。
しかし、先ほどの旅行をしようとしていた友人のようにまだまだ男同士に違和感を持っている人も多い。
見た目に感じる違和感
なぜデートスポットに男同士で行くのがためらわれるのか。
一つは見た目の問題ではないだろうか。男数人で集まるとなると「むさくるしい」と形容されることが多々あり、「野郎だけでむさくるしい」なんて台詞はおなじみとなっている。
普通女同士にむさくるしいという言葉は聞かないし、もっと言えば、例えば、ジャニーズのメンバーが数人集まっていてもむさくるしいとは思わないだろう。
大辞泉によるとむさくるしいとは、
だらしなくてきたならしい。むさくろしい。
と書かれている。
そもそものイメージとして男=部屋が汚い・暑苦しいなどといったマイナスのイメージがあり、これに加えて、女性よりも男性の方が体格がよく物理的に空間を圧迫することから「むさくるしい」となるのではないか。
先ほどの男同士で同じコーディネートというのも、目立つがゆえにむさくるしさも際立ってしまうように感じるのかもしれない。
そう考えると、女子柔道部員が集まっているところにはむさくるしいという言葉は似合うように思う。
デートスポットという「普通」ならカップル同士で行くむさくるしくない空間に、男が数人集まっていくことでその場の雰囲気にそぐわないように感じるのはそうかもしれない。
一方で女同士で行くとむさくるしいということは多くの場合はないので、その空間になじめている=女同士でも大丈夫となるのではないだろうか。
暗黙の社会ルールと見栄
もう一つは、男性が人前で感情をあらわにすることをよしとしない風潮があるからだと思う。よく「男の子なんだから泣かないの!」とお母さんが子供をなだめるときにいうが、まさにそれだ。
男性学を専門とする田中俊之氏は上記の記事でこう述べている。
男性の特徴的な傾向として、人の「感情」を理解する能力や不足がある。これは幼いころから「感情をあらわにしてはいけない」「合理的で論理的な話し方をしなければならない」とされて育ってきた人に多い傾向だ
デートスポットと言われる場所はテンションが上がる場所が多い。水族館でイルカが高くジャンプするとわーっと拍手もするだろうし、動物園でパンダを見かければ駆け寄って写真を撮りたくなるものだ。
テンションが上がれば騒ぎたくなる。しかし、感情を表に出すのはよくないと無意識のうちに思っていたとするなら、周りの目を気にして躊躇してしまうのではないだろうか。
女性ときていれば彼女に連れられて、と言い訳もできるだろうし、気持ちが盛り上がってそれが外に出てしまっても、女性ときているからだと言い訳することもできるだろう。
最近は抵抗感が希薄化している!?
このような理由から、どこかで引けを感じてしまっていることが考えられる。
最近話題となった草食系男子やジェンダーレス男子といった傾向から、徐々に若い世代を中心に抵抗はなくなっていきているのかもしれない。
年齢や性別に限らずどんな場所でも気が置けない仲間とわいわいするのは楽しいものである。
どうです、今度男同士でディズニー行きませんか?